ここは、ぺったんこタウンにあるきりたんぽさんのおうち。五人兄弟で五重人格なきりたんぽさんが、囲炉裏を囲んで密談をしていた。なんの相談をしているかっていうと……
そういやわしら最近、アイドルらしいことなんもしてないよね
あたしたち、アイドルだったっけ?
五人組のアイドルっていう設定でぺったんこなやつらに加入した気がする
だが、いつしかしらたまちゃんの罠にはまって、己のアイデンティティを見失ってしまった
ぐぬぬ( ‘ᾥ’ )
しらたまちゃん怖い:;(∩´﹏`∩);:
一生の不覚!!
本業のアイドル活動をそろそろ再開しようかなって考えてるみたい。
ちなみに、きりたんぽさんたちがアイドルとしてのアイデンティティを見失っちゃったのは、しらたまちゃんのせいじゃないんだ。なんでもかんでもしらたまちゃんのせいにするのはよくないよ:;(∩´﹏`∩);:
………
わしらのコスプレをもちさんにジャッジしていただきたいのでおじゃる
わしらは五人兄弟ですから
五人分の自己主張があって、意見のすり合わせが難しいのよ
ならばいっそ第三者に方針を決めてもらって、それに盲従するという方向で調整していくことに相成り申した
満を持してアイドル活動を再開するっていう話なんだよね?
おうよ! そのために、まずはいろんな衣装を試してみて
わしらの魅力を最大限に引き出せる演出で華麗に再デビューを決めるのよ
いま、さらっと再デビューって言ったね
いままでまともにアイドル活動をしていなかったの、認めちゃったね?
まずはこれ! ヴァイキング!
ひとの話、聞いてないね?
まあいいや
ヴァイキング、いいよね♡
兜のツノ、かわいいね
(*σ・ω・。)σツンツン
でしょう~?
で、その心は?
……
…………
ただ単に、ツノがかわいいからとか被りたいからじゃ、説得力に欠けるかなぁ
アイドル活動に必要なのは訴求力のあるバックストーリーだと思うんだ
ぐぬぬ……
じゃあ、これは? シルクハット!
きりたんぽと言えば囲炉裏端。囲炉裏といえば古民家。古民家と言えばお蚕! お蚕といえばシルク!
ちょっと話が飛躍しすぎだと思う
しょんぼり
だから言ったであろう。わしらは日本の食品なのだから、同じジャパニーズスタイルのちょんまげでキメるべき!
うん。それは悪くない発想だね
だけど「ちょんまげ」と「きりたんぽ」を結ぶ「日本」っていうキーワードが大きすぎる。もちろん「日本の文化」っていうくくりでもいいけどさ、それでもまだ大きい
(‘ᾥ’)グヌヌヌヌ
今日のもちさんは辛辣でおじゃる
こんなに厳しいもちさん、はじめてじゃない?
ここでもちさんがやさしくジャッジしてもいいんだけどさ、どのみちデビューしてから社会に厳しくジャッジされるのはきりたんぽさんたちなんだよ?
なにも言い返せないよ:;(∩´﹏`∩);:
鬼教官だッ:;(∩´﹏`∩);:
ビシバシいくよ~
で、そっちのフリフリ襟巻のきりたんぽさん
わ、わし!?
なんでその恰好なの?
え……ええと……
🤨
カボチャをイメージしたんだ(。-ω・)ノ・・━━☆キュピーン
きりたんぽなのに?
……
……
ぐはぁ!?
0(:3 )~ (‘、3_ヽ)_
もちさんが遅効性の攻撃を放ってきた!
こわいよぅ。・゚・(((゚´ω`)))・゚・。
さて、最後にそこのあなた
ビクッ
わし(゚Д゚;≡;゚Д゚)?
ほかにいないよ🤨
なんで一人だけなにも着てないの?
ど、どうしよう……本当は「ありのままのわしらを見て😍」ってつもりで、敢えての全裸だったんだけど
いまのもちさんは、そんなゆるゆるなコンセプトじゃ絶対に納得しない
どうしよう:;(∩´﹏`∩);:
あ……
あ? 🤨?
💦
あ、あとで、お味噌つけようと思って
味噌だれにするってこと?
(゚-゚)(。。)ウンウン
(゚Д゚)ハッ
味噌たんぽ!
そうよ! 味噌たんぽでござるよ!!!
お味噌つけて焼こ!
わしらも全員、あとで服を脱いでお味噌コーティングするつもりだったんだ!
全会一致でお味噌を着るってことで合意?
そ、そういうことだな!?
み、みんなの意見がまとまったみたいだな!?
お味噌たんぽはお味噌色が食欲をそそるし
なにより味に説得力があるよね
とってもいいと思う!
わーい! もちさんのおかげでみんなの意見のすり合わせができたぁあッ!!
お役に立てて光栄だよ!
ありがとうねぇえ💦
では、もちさんはこの辺で失礼するよ
ありがとうござるッ💦
アイドル活動、がんばれー!
またね~!!
(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ
|彡サッ
……
ふぅ……
お味噌
まさかの味噌たんぽに決まっちゃった
ごめん、みんな、もちさんの圧力に負けて、つい……
過ぎたことはよいのだ
みんなぁ! 味噌だれでトップ狙うぜ!!!
いいぇぇえええやぁああああぁッ―――(☝◉ਊ ◉)☝!?!?
味噌たんぽさんたちは「おいしそう!」と評判になったけど、それが「味噌たんぽ」というジャンルの力だったのか、きりたんぽさんたち自身の実力だったのかは、当のきりたんぽさんたちもよくわかんねーのであった!