前回までのあらすじ
ニョッキさんの金欠体質を改善するために「金欠を解決する呪物」を買おうとしたが、なんと一億万円もする高級品だった!
◆
それから数日後、ぺったんこ市場の裏手の裏手にあるニョッキさんのおうちの前を、きなこが落ち着きなく行ったり来たりしていた。
そわそわ
そこに、もちとりこが背後からこっそり近づいてきたよ!
よっ、きなこ!
わっ!
べつに疚しいことはなにもしていなかったけれど、死角からいきなり声をかけられたせいで、きなこはビビり散らしました。
あががががが(((*´꒳`*)))ガクガクガクガク
そんなに驚くなよ:;(∩´﹏`∩);:
兄貴はどうしてここに?
俺はニョッキさんの様子を見に来たんだ。おまえもそうだろ?
お給料日を迎えて、さすがに生もやし生活からは脱却できたと思うけど、面白いガジェットへの購買衝動を我慢できるようになったわけではない
根本的な解決には至っていないから、このままほっといたら次の給料日前にまた金欠さ
ニョッキさんはカワイイ大戦争を生き抜いたレジェンド立派なカワイイの戦士なのに
まともに貯金もできなくて、その日暮らしをしてる
その現状が切ないし、やるせない˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
すごい人の私生活がガタガタっていうのは、よくある話だよね
俺は、真面目にコツコツやるしか能がない普通のもちとりこだけど
それゆえに堅実に家計をやり繰りするという堅実なスキルを持っている
このスキルを生かして、ニョッキさんを金欠の無限ループから救い出したいんだ!
兄貴は自分のことを卑下しすぎだよ
堅実に生きるって、さも当たり前のことのように言うけどさ
大抵の人はまともにできてないよ
それができるっていうのはすごいことだよ!
そっか😳
うふふふふ😊
ちょっとおだてたら、ニヤニヤしだした
きもい!
……
あっ……兄貴が俺の煽りに一ミリも動じない
悟りの境地の心構えの面構えになってる
さすが兄貴! 冷静沈着でカッコいい!
とにかく俺は、ニョッキさんの家計を健全化したい
俺もそれは切実に願ってる
ただ、兄貴のやり方のままだと節約技術の要求水準が高すぎてニョッキさんは続けられないと思うから
俺がニョッキさん向けにやさしくアレンジしてあげたらいいかなと思ってる
よろしく頼んだわ
じゃあ、推して参るぞ
うん!
意気込みを新たにした二人が押し込み強盗さながらニョッキさんのおうちに押し入ると、そこには蝋燭を灯してぼんやりと座っているニョッキさんのしょぼくれた姿があった。
わっ、暗いよ!
……
ニョッキさん、生きてますか?
……
おーい?
チラッ
🥺
声を出すと酸素が余計に消費されちゃうから、ニョッキさんはしゃべらないんだ
……
うん……でも、いましゃべったよね
🥺……!?
うわぁあああん、無駄な消費をしちゃった。・゚・(゚`ω´゚)・゚・。
ニョッキさんに節約なんて百万年早かったんだ˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
はいはいはいはいちょっと待ってください!
前に節約の方法を教えたときに言いましたよね
細かい支出をちまちまと減らして節約したつもりになっても、そんなに効果はないんです
むしろ頑張って苦行をこなした的な達成感から、ご褒美欲求が高まってしまって
かえって無駄な出費を誘発する元になります
すくなくとも、ぺったんこタウンではおいしい空気がタダでいくらでも吸えるんだから
お金のことなんか気にしないで好きなだけ吸ってくださいよ
それもそうだ
わかったよ🥺
シュゴォオオオオオオオオ
😮💨
思いっきり空気を吸った!
頭がすっきりした!
それでいいんです
それから、電気もつけましょう
えぇえええ……お金がかかっちゃうよ:;(∩´﹏`∩);:
ええ、かかりますよ。でも使い過ぎなきゃいいんです
なんのために電気があるんです? 便利に生活するためでしょう?
電気を使わないんだったら解約すればいいんだし
それはさすがに極端でしょう
使うんだったらちゃんと便利に使わないと、お金の払い損じゃん
もちとりこの兄貴が損得計算思考を先鋭化させた結果、かえって太っ腹な人みたいなことを言いだした
そもそもなんでニョッキさんは急に節約に走りはじめたんですか?
それはもちろん「金欠を解消する呪物」を買うためだよ🥺
だって、一億万円もするんだもん。命を削って節約しないとお金がたまらないよ💦
ふむ🤔
動機はともかく、ニョッキさんが節約を意識しはじめたのはよい傾向だ
それに、節約をするには目標があることがなによりも大切
それがたとえ、詐欺商品と思われる「金欠を解消する呪物」であっても
俺の節約ノウハウをすべて伝授します!
一億万円貯めましょう!
がんばる🥺!
節約をしなくても金欠を解消するためにあの呪物を買おうとしてたのに
あの呪物を買うために節約をするぜってこと?
それって本末転倒なんじゃないかな((😇))!
節約が苦手なニョッキさんには、ちょっと目標が高すぎるんじゃないだろうか?