毎週金曜18:00更新
シーズン1

NO CHIRSTMAS NO LIFE #1

 ここは、ぺったんこ市場の中央広場から一本奥に入った路地裏。薄暗くて治安の悪い感じがする道端で、人相の悪いとりさんが三人、お顔を寄せてなにやら相談をしていたよ:;(∩´﹏`∩);:

赤とり
赤とり

今日も一日おつかれさま

赤とり
赤とり

昨日に引き続き、亡命者のエゼルバードを探し回ったわけだけど

赤とり
赤とり

おまえら、あいつを見つけられた?

紫とり
紫とり

見つけられなかった🥺

黄とり
黄とり

二軒目のおしゃれなカフェなら見つけたけれど、エゼルバードは見つからなかったな

赤とり
赤とり

俺もおしゃれなダイニングは見つけたけれど、エゼルバードは見つけられなかった🥹

紫とり
紫とり

ねえ、本当にあいつはこの街にいるの?

紫とり
紫とり

三人で手分けしてこんなに一生懸命探しているのに、全然見つからないから

紫とり
紫とり

本当は、居ないんじゃないかって不安になってきちゃった

赤とり
赤とり

不安にならないで🥺

赤とり
赤とり

あいつはぺったんこタウンのどこかにいるはずだよ

赤とり
赤とり

だって、クリスマスを心待ちにしているクリスマスガチ勢の人相の悪いとりの亡命者って時点で

赤とり
赤とり

エゼルバード以外にありえないでしょう

紫とり
紫とり

それもそうだ🥹

紫とり
紫とり

いまのおまえの言葉で、目が覚めた

黄とり
黄とり

俺らの使命は、クリスマスまでにやつを見つけ出すこと

紫とり
紫とり

よーし、頑張って探すぞ🥹

赤とり
赤とり

いいね♪

黄とり
黄とり

でも、今日はもう日が暮れそうだから、探すのは明日にして、夜のぺったんこ市場を楽しもうよ

紫とり
紫とり

賛成!

赤とり
赤とり

賛成!

 仲良く連れだってぺったんこ市場へと消えてゆく人相の悪いとり三人組の様子を、物陰からこっそりと伺うあやしいやつがいた。

ごへい
ごへい

こっそり

 いつもいろんなことをあーでもないこーでもないって考えている思索好きのごへいさんだ!

ごへい
ごへい

新手の人相の悪いとりさんが三人もいた

ごへい
ごへい

彼らは、私のお友だちのとりさんの仲間?

ごへい
ごへい

それとも敵?

ごへい
ごへい

……

ごへい
ごへい

考えているだけでは真理に辿り付けそうにない

ごへい
ごへい

このことを一刻もはやくとりさんに報告すべきでしょう

ごへい
ごへい

|彡サッ

 ごへいさんは不審者情報を共有するために、さっそくとりさんの隠れ家を訪ねました。とりさんはごへいさんを歓迎し、くるみ入りの味噌ダレをあげました。

とりさん
とりさん

どうぞ

ごへい
ごへい

ああ、とてもいい香りのするタレだ

ごへい
ごへい

かたじけない

ごへい
ごへい

ぺとぺとぺと

とりさん
とりさん

私の追っ手と思しき三人組がぺったんこ市場で密談しているのを目撃されたのですね

ごへい
ごへい

そのとおりです

ごへい
ごへい

お気をつけください。やつらはクリスマスまでにあなたを見つけ出すよう、密命を帯びているに違いない

 とりさんは深刻そうに黙りこくりました。

とりさん
とりさん

三人の追っ手が手分けして探しているのなら、この隠れ家も早晩見つかってしまうでしょう

とりさん
とりさん

私に残された選択肢は二つ

とりさん
とりさん

追っ手に怯えてクリスマスを楽しめないまま見つかって殺されるか

とりさん
とりさん

死ぬ覚悟でクリスマスを楽しんでから見つかって殺されるか

ごへい
ごへい

……

とりさん
とりさん

どうせ死ぬならクリスマスを楽しんで死にたい

ごへい
ごへい

それがあなたの選択なのですね

とりさん
とりさん

せっかく貴重な情報をいただいたのに、活かすことができず申し訳ない

ごへい
ごへい

いかにして生き、いかにして死ぬかはあなた次第だ

ごへい
ごへい

私はあなたの決定を尊重します

とりさん
とりさん

ありがとう、ごへいさん

ごへい
ごへい

良いクリスマスを

とりさん
とりさん

良いクリスマスを

 ごへいさんがとりさんのもとを辞去して外に出ると……

赤とり
赤とり

ついに見つけた

紫とり
紫とり

見つけたね🥹

黄とり
黄とり

よかったー!

ごへい
ごへい

 例の人相の悪いとり三人組が玄関先にいた。ごへいさんには目もくれず、問答無用でとりさんの家に押し入った。すぐに、とりさんがやられた音が聞こえてきた。

???
???

ズゲシッ

???
???

ぐわっ!

ごへい
ごへい

!?

 

シーン

 

ごへい
ごへい

こうしてはいられない!

ごへい
ごへい

助けを呼ばなくては!

ごへい
ごへい

ドッピューン!

 ごへいさんは大急ぎでフォーさんのおうちに向かいました。深夜なのに容赦なくドアチャイムを鳴らします。

ごへい
ごへい

ピンポーンピポンピンポンピンポンッ!

フォー
フォー

うわぁああ、ピンポンピンポンってうるさいな! なんだよもう😣💢

ごへい
ごへい

フォーさん大変です、とりさんが追っ手にさらわれてしまいました!

フォー
フォー

なんだって!?

 フォーさんは行動力の塊のような麺類だったので、取るものもとりあえず現場に向かいました。

フォー
フォー

ふむふむ。ここがとりさんのおうちか

フォー
フォー

ガチャッ

フォー
フォー

おや、入口は開いているね

ごへい
ごへい

とりさんを誘拐したやつらが、開けっ放しのまま行ってしまったのでしょう

フォー
フォー

床に茶色い血痕がある

ごへい
ごへい

あ、それは血痕ではなく、くるみ入りの味噌ダレです

ごへい
ごへい

とりさんが私に出してくださったのですが、あの三人組が乱入したときに残りがこぼれてしまったのでしょう

フォー
フォー

この味噌ダレのしたたり、どうやらあっちに続いているようだよ?

フォー
フォー

たどっていけば犯人の行方がわかるんじゃないかな?

ごへい
ごへい

長距離だと途中でタレがなくなってしまうかもしれません

フォー
フォー

それでも途中までは追いかけられる

フォー
フォー

やつらの痕跡が消えないうちに急いであとを追おうぜ!

ごへい
ごへい

そうですね!

つづく
ぺったんこタウン

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