前回までのあらすじ
旧遊園地を破壊した犯人である魔つぼが、ついに暴れ出した。取り押さえるために現場に急行したものの、筋トレガチ勢のみんなは攻撃が当たらなくてやられちゃったし、おだんご義兄弟たちもウェイトが足らなくて、いままさに吸引されようとしていた。
シュゴォオオオオオオ
うわぁああああっ!
(((◜ᴗ◝)))ガコッ!!
!?
!?
シュコッ、シュコッ🥺
なにごと?
もしかして俺ら、串で引っかかって九死に一生を得ている?
このまま魔つぼの養分になるかと思われたおだんご義兄弟たちだったが、うまい具合に串が横向きになって壺の口縁に引っかかったようだ。
おだんごさんたち、大丈夫ですか!?
大丈夫じゃないけど
ぎりぎりのところでなんとか、吸われずに済んでる!
シュココッ、シュコーーッ😣
やめて🥹
一生懸命吸い込まないで!
串が折れちゃうッ!
おなかすいた、助けて!
そのときだった。
魔つぼの重いカウンターを正面から喰らって倒されたはずの鬼ちゃんが、よろっと起き上がった。
トレイニさん、まんぷく草を俺にください
よろよろ
鬼ちゃんさん、無理だ
ここは私に任せてください
俺は、下半身はみっちり鍛えてあるけれど上半身は相対的に貧相です
それに対してトレイニさんは、相対的に上半身がみっちりと鍛えられている
上半身が貧相なぶんだけ、俺のほうが重心が低い
つまり、魔つぼの吸引力の影響を最も受けにくいのは、この俺
ですが!
行かせてください
いまこそ、ぺったんこタウンのみんなの役に立ちたいんです!
!
……
わかりました
けれど、あなた一人では行かせません
私が正面から魔つぼさんに圧をかけます
あなたは、死角から接近してまんぷく草を投入してください
ありがとうございます
お互い、最善を尽くしましょう!
俺をジムに誘ってくれたご恩は一生忘れません!
|彡サッ
鬼ちゃんはトレイニさんからまんぷく草をひったくると、さっと魔つぼの背後にこっそりと回り込んだ。
ズゴッ! ズゴゴゴゴゴッ
ぎゃぁああああ、もうダメだぁあああ˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
串が折れちゃうッ!
やめるんだ、魔つぼさん!
いますぐ吸引をやめないと、お水を入れて、お花をいっぱい生けちゃいますよ!
ズゴゴッ🥹!
壺の素人がいる!?
壺の素人、こわい:;(∩´﹏`∩);:
魔つぼが怯んで吸引力が弱まったその瞬間に、
いまだ!
ズササササッ
鬼ちゃんは鬼速な中腰マニューバで魔つぼとの距離を詰めた。
チューリップを生けようかな?
:;(∩´﹏`∩);:
それともアヤメを生けようかなぁ?
魔つぼめ、これでもくらえっ!
!?
鬼ちゃんはなんだかんだ言っても鬼だから、いざとなったら無慈悲に任務を遂行するキリングマシーンになれるんだよ:;(∩´﹏`∩);:
ドカーンッ!
ぱくっ
きゃぁああああ!
ヒュッ――
ボテッ
あ、まんぷく草のいい匂い
ぎゃぁああああ……???
吸引衝動がすぅーって収まっていく
あれ、たすかった?
よかったぁあ♪
よ、よくないよ!
俺らの串が湾曲しちゃったでしょうが。・゚・(゚`ω´゚)・゚・。
へし折られないように力いっぱいに力を入れてたから
全身ゴリゴリのバキバキだしよっ˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
それに、アトラクションをめちゃくちゃにしちゃってよぉ!?
古い遊園地を破壊したのもおまえなんだろぉ
:;(∩´﹏`∩);:
0(:3 )~ (‘、3_ヽ)_
鬼ちゃんの尊い犠牲のもと取り押さえられた魔つぼの身柄は、即座にしらたまちゃんの魔王城に移送された。
……
カクカクのシカジカで
古い遊園地も、俺が破壊しました
ごめんなさい
遊園地はみんなの遊び場だよ
謝っただけじゃ済まされないよ!
ほ、本当にごめんなさいッ:;(∩´﹏`∩);:
˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
反省してるのなら、それでいいのよ
え!?
お話を聞いた限りでは、魔つぼは遊園地が大好きみたいだし
破壊したのもわざとじゃないみたいだし
まんぷく草を吐き出さないように対策して、安全に遊ぶんだったら、許してあげてもいいかな
おや? しらたまちゃんがいつになく優しいね?
闇社会の女帝のしらたまちゃんのことだから、純粋に憐れんで……とかではないだろうし、いったいなにを企んでるんだろうね:;(∩´﹏`∩);:?